●善福寺川緑地へ

　神通橋が善福寺川緑地の入り口となります。この橋から白山前橋までの間、善福寺川を中心とした公園緑地が整備されています。その整備にともない、非常に多くのサクラが植えられ、川沿いに彩りを添えます。神通橋で公園に入ると、右岸側にはソメイヨシノはもちろんですが、様々な種類のサクラが植えられています、それぞれの樹にはプレートが掛けられていて、ちょっとサクラのお勉強、そんなこともできちゃいます。神通橋からせきれい橋までの間は、川沿いの歩道も舗装されていません。脚に優しい土の道。普段はのんびりと歩けるのですが、さすがにこの季節、多くの花見客がここを歩きます。

　この公園緑地内のサクラは、川沿いだけではないので、サクラの楽しみ方はひとそれぞれでしょうが、川沿いのサクラを眺めるならば、やっぱり橋上が一番。その中で最も見事な景観を得られるのは、屋倉橋の上からです。上流も下流も、文句のつけような景観です。ということは、そのサクラの下を歩くのもまた楽しめるわけですから、屋倉橋の前後は善福寺川緑地をよく知る人は迷わず向かうと聞いています。ちなみに、橋上からの観桜は歩行者専用橋の方が適していますが、屋倉橋は残念ながら車歩道併用の橋です。

神通橋は善福寺緑地公園の入り口に架かる橋です。橋上からの眺めも結構優れています。最近塗り替えられたばかりの欄干の緑が、公園のサクラと妙にマッチしています。

非常に狭い間隔で掛けられたなかよし橋と西園橋。両橋共に歩行者専用橋です。西園橋の上から、左岸に見えるサクラを撮りました。

西田橋からの風景です。遠くに青空は見えているのですが、なぜか雲に覆われています。きまぐれで不安定な空はまさに春のそれといっていい、というのは大げさでしょうか。

桜密度。実はこの言葉、よく使います。そんな言葉が本当にあるかどうかはわかりませんが、善福寺緑地内で最も桜密度の濃い橋上からの景観を持つのが、ここ屋倉橋です。

天王橋の少し上流側の公園内遊歩道。公園敷地のおかげで、歩道の狭さを感じないというのがいいです。張り出したサクラの枝もいい感じです。

善福寺緑地内の桜並木は、すべて公園側に植えられています。従って、サクラは遊歩道の上に枝を伸ばすわけで、サクラのトンネルが出来上がります。

●五日市街道まで

　上流から来た場合、尾崎橋に近づくほどに人が増えてきます。尾崎橋は、五日市街道が橋上を走ります。主要な街道ということもあり、善福寺川緑地の拠点のような場所になっています。管理施設もこの橋の周辺に集まっています。中野、高円寺、吉祥寺の各駅からバスもやって来るので、橋の周りは大賑わいです。近隣の人はともかくとして、尾崎橋までバスでやって来たような人は、この橋から上流側へと歩き出します。ただ、公園を抜けて荻窪駅方面まで歩いてしまう人は少ないのです。つまり、花見の時期、多くの人の行動は尾崎橋をスタートして遊歩道を歩きます。そして、適当な所でUターンして尾崎橋へとも戻るわけです。両岸に遊歩道が整備されているので、｢引き返す｣などというネガティブな印象にはあまりならないように歩けるわけです。

　ですから、上流側から公園にアプローチした場合、尾崎橋へ近づくほどに人が増えてくるということになります。しかも、尾崎橋の周辺は、川沿いだけではなく広場も整備されていて、そこで花見に興じている人々も多いのです。人混みの苦手な人ならば、まさに大混雑といった表現を使うかも知れません。各地にある花見の名所と肩を並べるような人手、賑わいがあるわけです。

●尾崎橋を過ぎると

　上流から歩いてきて尾崎橋を過ぎると、突然静かな空間に入ったような気になります。尾崎橋を境にして川の上下では明らかに公園整備の方向性は違っています。サクラに関して言えば、尾崎橋から神通橋まで左右両岸、まさに途切れることなくサクラが続く上流側に対して、下流側は川沿いの桜並木はありません。それでも、景観に配慮して効果的に植えられたようなサクラが、川沿いに彩りを与えています。また、この区間は運動公園としても整備されていたり、広場が多く作られているのですが、その周囲にはサクラがありますので、川沿いにこだわらなければ観桜を楽しめます。

五日市街道が走る尾崎橋からのショットです。尾崎橋を境に、公園整備のやり方が違っています。上流から歩いてくると、尾崎橋を過ぎるとぐっと静かな空間となります。

それでもサクラは植えられています。成田上橋のバックにあるサクラは、もちろん公園敷地内のもの。川沿いというよりも、公園内部至る所にあるといった整備の仕方です。

もちろん、主役はサクラでしょうが、様々な花が彩りを添えてくれます。これは、成園橋近くの右岸遊歩道で撮ったカットです。