神田川の桜2007〜夜の神田川〜

2007年の「神田川の桜」は,善福寺川をメインとした構成にしました。でも、神田川にまったく触れずというのも、あまりよろしくないので夜の江戸川公園を中心とした風景をお届けします。満開で迎えた金曜の夜という、最も人手があると予想される時間帯。恐らく、神田川沿いで一年で最も人が繰り出す時間と場所といってもいいでしょう。

●金曜夜の江戸川公園

 サクラのシーズン最盛期の夜に、江戸川公園を訪れるのは初めてのことではありません。ただ、カメラ持参で撮影して、それをページにしようというのは初めてのこと。訪れたのは金曜の夜。まさに、神田川沿いのあらゆる場所の中で、一年で一番人を集める場所と時間帯です。訪れたのは、19時頃。江戸川橋から公園に入りますが、すでにお花見宴会は始まっています。それとは別に、夜桜を見ながら遊歩道を歩こうというグループも大勢います。とにかく、公園入り口は大混雑。

 少し歩いて一休橋。この橋だけではなく、次の大滝橋、そして駒塚橋は欄干がかなり高くなっています。かつて何かの資料で、お花見客(言い換えれば酔っぱらい)が川に転落するのを防いだり、川に飛び込むのを防ぐために、この高さになったと読みました。この時間帯にここを訪れてみると、なんとなくですが納得できます。でも、自らの意志で飛び込むヤツはいないと思うのですが。一休橋上でQTVRを作りました。

大滝橋から
大滝橋から上流側を見ます。写真左が、江戸川公園。サクラをライトアップした灯りだけではありませんが、とにかく異常に明るいのがわかるはずです。
江戸川公園で
江戸川公園で、この時期、この時間帯、最も人が集まる場所です。夜遅くまで営業する屋台。ニッポンのお花見の典型的な風景かも知れません。
江戸川公園から駒塚橋へと向かう左岸遊歩道。普段はもっと暗いイメージですが、街頭、提灯、右の建物のおかげで、見た目以上に明るい歩道です。

●サクラと夜の遊歩道

 江戸川橋にある江戸川公園の入り口近くは大騒ぎですが、大滝橋近くの広場も大勢の人が集まっています。屋台が並び、地元の連絡所のテントなどが張られます。サクラそのもののライトアップはありませんが、提灯が吊され普段の夜とは比べものにならないほどの明るさです。大滝橋上で撮影したQTVRで、暗い川との対比がわかるのではないでしょうか。さて、大滝橋の橋詰めにある広場で江戸川公園はおしまい。ここから、明治通りまで遊歩道が続くわけですが、ここを歩く人も大勢います。

 大滝橋の次の駒塚橋は、橋上も広く喧噪から逃れてきた人たちが、フォーシーズンズ・ホテルを背景にした夜の風景を楽しんでいます。この橋上からも、左岸遊歩道の異常な明るさがわかります。駒塚橋からは、あえて人の少ないであろう右岸遊歩道を歩きました。確かに、人はぐっと少ないのですが、それでも普段の昼間なみの人手です。豊橋は、なぜか大混雑。最も、観桜に適したポイントでもある仲之橋に向かいます。

駒塚橋から
駒塚橋から見た風景。こちらは下流側です。中央に見えるのは、フォーシーズンズ・ホテル。左岸遊歩道側が、とても明るいのがわかるはずです。
駒塚橋から
駒塚橋から見た風景。こちらは上流側です。川幅が広くとられていて、緩やかな蛇行。そのおかげで、サクラも折り重なるように枝を川の上に伸ばしています。
仲之橋から
神田川のすべての橋の中で、このシーズン最も見事なサクラを見ることができる仲之橋からのカット。これは、上流側を見たものです。

●明治通りまで歩く

左岸遊歩道 三島橋から面影橋へと向かう右岸遊歩道。新宿区側になります。提灯が夜風に揺れていました。ここまで来ると大混雑ではありません。
面影橋の橋詰め
面影橋の橋詰めです。提灯が下げられると共に、フェンスには近隣で募集した俳句、川柳が張り出されています。
面影橋の上から
面影橋の上からのカット。これは、下流側を写したカット。この近辺のランドマークにもなっている、高層マンションがそびえています。
 

 仲之橋は、車歩道併用の普通の橋です。ですが、この時期の昼間は大変な混雑です。その理由は、この区間では最も密度の来いサクラを楽しめるからです。この橋上でQTVRを作りました。撮影中もひっきりなしに、遊歩道を歩く人がこの橋でサクラを眺めていきます。私の評価もまんざら間違っていないというところでしょうか。橋上からの眺めがいいということは、仲之橋と次の三島橋の間の遊歩道は、歩いてもサクラを楽しめるということです。遊歩道は、転落防止フェンスが高く、川をのぞき込める箇所は少ないのですが、サクラ目当ての人々はわざわざ川をのぞき込もうとはしないようです。

 夜歩くと、暗い川をバックにした灯りに照らされたサクラの姿が、昼間以上に美しく見えるのでしょう。いくらサクラのシーズンだからかといって、これだけの人が歩いているとは思いませんでした。そうした人々も、名前に惹かれてでしょうか、面影橋上に集まります。でも、この面影橋、結構車の通行量あるんです。面影橋のひとつ上が曙橋。その先の明治通りで、遊歩道はおしまいです。しかも、遊歩道は右岸側しか通じていません。でも、多くの人が迷わず右岸へ歩いていくので、毎年ここを歩く人が多いのかも知れません。この右岸遊歩道、まさに明治通りにぶち当たる直前まで、桜並木が続きます。