富士見橋から井の頭公園まで
●蛇行する川と遊歩道
永福橋は、永福通りがその上を走り、橋詰めにはコンビニがある所です。橋の上流側は、左岸が永福中央公園。親水設備のある小広い公園です。右岸には身障者施設があって、その敷地内からサクラが枝を伸ばしています。次のかんな橋の先で、川は北西方向へゆるやかに流れの向きを変えます。そして、次が神田橋。神田川に3橋ある神田橋のひとつです。幸福橋から弥生橋の間は、左岸は車道になります。でも、閑静な住宅街。ちょっと車に気を付けて歩けば、遊歩道同様に歩くことができるでしょう。
八幡橋の先から右岸は、藤和緑地になります。橋詰めには、親水設備が設けられていて、その先には藤棚風のベンチ。ちょっと一息いれるにはいい場所かも知れません。また、藤和緑地の近くの遊歩道の桜並木は、しだれ桜が植えられているのも覚えておいていいでしょう。神田川沿いを観桜を楽しみながら歩いてくると、藤和緑地で周囲の色が変わります。より強いピンクのしだれ桜のおかげです。
●住宅街の明るい歩道
いわゆる鎌倉往還が走る鎌倉橋の先は、塚山公園が右岸に広がります。園内には、塚山遺跡があり、復元住宅と縄文期の植生を復元した林があります。妙に立派な塚山橋は、この公園の施設橋。橋の左岸側の園地も、塚山公園です。この近辺には、縄文期や弥生期の遺跡が数多く発見されています。水辺で生活を始め、そこに集落が生まれる。川沿いに始まった人々の生活。神田川が自然河川であり、古来からこの地を流れていることの証です。
神田川を歩く時にランドマークになる杉並清掃工場の白い煙突が、はっきりと見えるようになりました。もうすぐ神田川は環八通りを越えます。乙女橋と池袋橋の間は、サクラの季節は見事な枝を楽しみながら歩けます。夏はそのサクラが緑濃い遊歩道を演出します。左岸には、ベンチやテーブルが整備された乙女橋緑地。右岸は郵政公社のグラウンドのため、非常に開放感も感じるでしょう。池袋橋を過ぎて正用下橋にかかると、井の頭線高井戸駅から続く整備の行き届いた歩道となります。やっぱりここも春はサクラがきれいな所です。
●環八通りを越える
喧噪極まる佃橋、と書くとちょっと大げさかも知れませんが、佃橋は環八通りが走る橋。その上には、京王井の頭線の高井戸駅。賑やかな所です。橋の下では、一本水路が合流します。玉川上水からの余水です。佃橋を過ぎると、住宅街の中の遊歩道の下の川は、さらに落ち着いた様相となります。川の左右には、公営の低層団地。再開発をしている箇所もありますが、問題なく川沿いの遊歩道を歩けます。
車の通行に配慮して、ちょっと不思議な形の高砂橋の次は、井の頭線富士見ヶ丘駅前の月見橋。右岸遊歩道は緑を多く配した整備になります。月見橋の次の橋は、京王電鉄架橋の橋。ガードレールを欄干に使っている、他では見られないデザインの橋です。この橋は、井の頭線の富士見ヶ丘検車区(車庫)への出入りのためのものです。この橋の先で、右岸遊歩道が途切れます。途切れるあたりには、竹林が広がり風情がある所です。都内では珍しいカタクリの自生地ともなっているとか。妙に静かなで、電車区が広がるため明るい左岸と暗い右岸との対比がおもしろい空間でもあります。清水橋でまた両岸の遊歩道が現れると、久我山駅前の久我山橋です。(次ページへ)