妙正寺川
●西武線の踏切まで迂回
第十五号橋からの迂回は、西武線の線路に沿って右手に歩きます。150mほど先の踏切を渡ります。踏切を渡ったら、また線路沿いを川の方へ同じ距離だけ戻れば新沼橋です。踏切を通る道をそのまま直進すれば、新沼橋のひとつ上流の橋、薬師橋にでます。ショートカットになりますが、ふたつの橋の間は100mも離れていません。ここから、環七通りに出るまで左右両岸ともに川沿いの道があります。遊歩道ではない、狭い車道です。通行量はあまり多くはない道ですが、道が狭いだけに車の交通には十分気を付けてください。
沼袋駅前からの平和公園通りが上を走る新道橋を過ぎると、右岸の様子がちょっと変わります。ここは、中野区新井にあった刑務所跡地に作られた、水再生センター上部の平和の森公園が広がる所です。公園の敷地に合わせるかのように、この部分だけ遊歩道が右岸に整備されています。
さて、ここで05年9月の集中豪雨後の妙正寺川整備の話を書いておきましょう。工事は、護岸の整備、河床の掘削、橋の架け替え、調整池の改良と多岐に渡っています。橋の架け替えは北原橋、四村橋、新井橋、人道橋(平和の森公園前にある無名の歩行者専用橋)、千歳橋、新橋。新井橋から三谷橋までの護岸整備1250m。新昭栄橋から葛橋までの延長距離3650mの河床掘削。非常に大規模な工事といっていいでしょう。今のところは、北原橋付近の工事以外は、本格的に取り組んでいません。工事期間は、09年まで。今後、この付近の妙正寺川の姿は大きく変わるかも知れません。
● 「鷺 」の町を流れる
平和の森公園を過ぎると、やがて05年の大雨で被害がでた三谷橋に出ます。ここは、いち早く工事にかかって護岸が新しいものに変わりました。この三谷橋の先から中野工業高校の敷地のため、川沿いの道がなくなります。ただ、ここは右岸を道なりに進めばOKです。環七まで出られますが、川沿いにこだわりたい人は、学校敷地が途切れた先を曲がれば、川沿いに出られます。三谷橋を過ぎてから最初に右に曲がれる所です。
環七に出ました。左に歩いて歩道橋で対岸に渡りましょう。環七通りの下は、神田川水系三河川をつなぐ導水管工事の最中です。右岸に沿った道が見つけられるはずです。ちょっとの距離で再び川沿いの道に出ます。250mほど進むと宮下橋。学校敷地のために迂回します。宮下橋で右折。最初に左に曲がれる道に入って、さらに次に曲がれる角を左に曲がります。これで、太陽橋に出ます。この迂回が、最後の迂回です。ここから妙正寺池まで、常に川沿いを歩けます。
この付近の妙正寺川は、蛇行を繰り返し川の向きを変えながら上流に向かいます。川の両岸は相変わらず狭い車道ですが、鷺盛橋から双鷺橋までの300mほどは右岸が車道から歩道に変わります。この区間は、右岸沿いに団地がいくつか続きます。歩道になっているのは、そのためです。弥生橋(QTVR)近くの都営鷺宮アパートは、再整備が決まっていて高層団地化する予定とか。敷地内に調整池も作られます。
この歩道区間を抜けると、妙正寺川は西武線に再接近。鷺宮駅です。急行停車駅にもなっていて、駅前の中杉通りは賑やかです。中杉通りが渡る橋が八幡橋。付近も 「鷺 」の文字が入る町名が多い、まさに鷺の町です。この近辺になると、妙正寺川は、U字溝が切られた中を僅かな水が流れる無機質な姿です。この先、水源の妙正寺池まで無機質な排水溝然とした川を眺めながら歩くことになります。ただ、八幡橋を超えると、川沿いの道は遊歩道になります。所々ではありますが、タイル貼りの道もあって歩きやすくなります。
●杉並区は1.3km
白鷺橋と井草橋の間で、杉並中野区境を過ぎて杉並区に入ります。井草橋の近くで、「中野区まで100m」という小看板を見つけました。07年設置の真新しい看板です。ちなみに落合橋に掛かるこの小看板の数字は1.3km。この数字を覚えておけば、行程の楽しみ方も増えるかも知れません。
時折蛇行しながら、西へと向かいます。早稲田通りを越える箇所は、短い区間で直角に近い蛇行を2回繰り返します。そして、早稲田通りを越えてしまえば、あとはもう最終区間です。川の名前になっている妙正寺橋の次が、落合橋。妙正寺川最初の橋です。橋の向こうは、水源の妙正寺池のある妙正寺公園(QTVR)です。池から流れ出た川は、ほんの少しの距離暗渠となり、落合橋で地上に姿を現します。公園の南側には、名前の由来となった妙正寺があります。