善福寺川
●深い緑の和田堀公園
大宮橋から善福寺川は、和田堀公園の雑木林の中へと入ります。のっけから、右岸の遊歩道が途切れます。もちろん、左岸はきちんと整備されています。明るい広々とした所から、木々に覆われた区間。大宮橋を境にして、劇的というのは大げさですが、川を取り巻く環境が変わります。大成橋までの間は、右岸は小さいながらも段丘が迫り、自然が作った谷を感じることもできます。川の護岸壁は垂直ではなく、 暖かみがある化粧ブロックを使うなど景観を考えた設計が行われています。河床のコンクリートも取り除かれています。ただ、水面間近の部分には、波打ち鉄板が使われているのでちょっと興ざめかも知れません。
宮下橋から大成橋までの間は、ルートはふたつに分かれます。まずは、左岸。川沿いの緑濃い林の中を歩くルートです。途中、右手に和田堀池が広がります。運がよければ、カワセミに会えるかも知れません。右岸は段丘の上を川を見下ろしながらのルートとなります。宮下橋詰めには、右岸は川沿いには通り抜けできないと標識が立ちます。でも、八幡橋の手前で段丘の上に通ずる道に入れば、雑木林の中の適度にアップダウンがある道となります。ちなみに、宮下橋と八幡橋の間は、右岸も川沿いを何とか通り抜けることは可能です。
段丘の上に上がると、大宮八幡宮の境内裏です。この近辺は、大宮遺跡が見つかった所。古来から人の手が入っていない崖も残っているという話です。大宮八幡の本堂裏からは、八幡橋へ降りる道もあります。さらに、段丘の上を進むと、御供米橋で一度左岸遊歩道と同じ高さまで降りますが、その先の階段を上れば大成橋まで緑濃い雑木林の中、川を見下ろす道が続きます。この右岸の道は、大成橋でおしまい。大成橋から先は、両岸に整備の行き届いた遊歩道となります。次の白山前橋で和田堀公園は終わります。上流側は、善福寺緑地です。
●善福寺川緑地の中を歩く
善福寺川緑地は、白山前橋から神通橋までの間、約2.3kmです。善福寺川沿いに、緑濃い園地が整備された区間です。宮下橋からの和田堀緑地とは明らかに整備の仕方が違いますが、ふたつの公園の間は特別意識をすることもなく、通り抜けてしまうでしょう。善福寺緑地は、途中尾崎橋で五日市街道を横切ります。この前後でも、ちょっと雰囲気は変わります。また、善福寺緑地だけを楽しむために、中野や高円寺そして吉祥寺からバスで訪れるのもいいかも知れません。ちなみに、尾崎橋の橋詰めにはコンビニがあります。
尾崎橋から神通橋までの間は、川は細かく蛇行を繰り返しながら、上流を目指すことになります。途中、天王橋が拡幅工事のため(07年5月現在)ちょっと騒々しいですが、それもごくごく短い区間です。右岸、左岸、どちらを歩けばいいか、ちょっと判断に苦しみます。つまり、どちらを歩いても善福寺緑地は楽しめるということです。ここで、バスで直接善福寺緑地まで行ってしまいたいという人に情報です。
尾崎橋で五日市街道が川を渡ります。この付近、川の蛇行と道の付け替えの関係で、西田橋と西園橋との間で、五日市街道に再び急接近します。この急接近する地点にあるのが、関東バスの五日市街道営業所。バスで尾崎橋まで来て、付近を散策。再び尾崎橋からバスで帰るというのも、決して悪くはないのですが、尾崎橋と五日市街道営業所、ふたつのバス停を使いこなせば、散策のバリエーションも増えます。特にサクラの季節は、尾崎橋のバス停は大混雑。五日市街道営業所からバスに乗れば、座れる確率はぐんと増えます。
さて、善福寺川緑地内の川沿いの歩道は、せきれい橋より上の区間が、土の道となります。運動公園として整備されているわけではありませんが、広場もいくつかあり、のんびりできるポイントもあります。神通橋の近くまで来ると、かなり周囲も落ち着いた雰囲気。のんびりと歩くことができるはずです。(次ページへ続く)