隅田川から江戸川橋まで
●賑やかな水道橋界隈
白山通りが上を通るのが、水道橋。橋上から下流を見ると、いわゆるお茶の水へ向けての渓谷の入り口を実感します。お茶の水分水路の呑口も確認できるはずです。水道橋の上流側橋詰めは水道橋駅の東口に隣接していて、非常に賑やかな所です。北側には東京ドームシティ。人の流れが絶えません。川沿いの道はないので、北側の外堀通りを歩くのがいいでしょう。南側は川との間にJR中央線を挟んでしまうので、川沿いを歩くという感覚は薄れます。
水道橋駅西口に隣接するのが、後楽橋。平行して後楽園ブリッジが架かります。駅から神田川と外堀通りを一気に渡ってしまえる橋です。この後楽橋のすぐ上流側にはゴミ処理船の船着き場。下流側には防災船着き場があります。神田川にも船便が機能している証でしょう。ちなみに、この防災船着き場は江戸期には河岸があった場所です。
水道橋駅に面した後楽橋です。このカットは、施設橋の後楽園ブリッジから撮影したものです。
画面左奥にあるのが、神田川を航行するゴミ運搬船の施設。その手前で、日本橋川が分流します。
●首都高速現る
小石川橋の上で、日本橋川が連れてきた首都高速が頭上をおおいます。水道橋分水路の吐口が右にあります。
飯田橋交差点までの間は、外堀通りの歩道が川沿いについています。快適とは呼べない道ですが。
船河原橋上からの風景です。神田川が直角に曲がる地点で、首都高速も大きなカーブを描きます。
飯田橋交差点の歩道橋からのカット。首都高速飯田橋ランプのおかげで、頭上には圧迫感があります。
後楽橋と小石川橋との間で、日本橋川が分流します。日本橋川に架かるのが、三崎橋。三崎橋上から、川を眺めるとホントに川のすぐそばまでビルが建て込んだ都市河川の姿を見ることができます。次の船河原橋までの間も、外堀通りを歩きます。川のすぐそばに歩道が設置されていますが、中上流域の遊歩道の趣はありません。頭上には、日本橋川が引き連れてきた首都高速5号線。川沿いの歩道はその下で、薄汚れた感じがしてなりません。
船河原橋で神田川はほぼ直角に流れの向きを北北東方向に変えます。ここは、飯田橋駅のすぐ近くで、地名としても飯田橋が定着しています。外堀通り、目白通り、大久保通りが交わる飯田橋交差点。ちなみに飯田橋は、下流側から見れば直進方向にあたる外堀に架かる橋名です。
●紙の街と目白通り
飯田橋から江戸川橋の間は、神田川の頭上には首都高速が被さります。右岸側は、川に平行して目白通り。川側に歩道が併設されていない箇所もありますので、大曲までは左岸に設けられた目白通りの側道を行くのがいいかも知れません。川沿いには歩道がありませんが、川を近くに感じることができます。ちなみに、目白通りの右岸歩道が歩ける区間は、船河原橋から隆慶橋。新白鳥橋から古川橋。華水橋から江戸川橋の区間です。隆慶橋の少し先には、神田川では最も新しい橋となる新隆慶橋が完成しています。次の新白鳥橋で、神田川は西の方角へ流れの向きを変えます。大きく曲がるから大曲。制式な地名ではありませんが、付近はこう呼ばれます。ちなみに、白鳥橋はこの付近がかつて低湿地だった頃に存在した白鳥池にちなんだ名前です。
所々通行が可能な、目白通りの川沿い歩道。通行できる区間は、今後変化があるかも知れません。
神田川では最新の橋となる新隆慶橋。6車線ある非常に幅広の橋です。橋の両側に歩道が整備されています。
新白鳥橋から石切橋までの間の左岸の道は、こんな具合。歩道は川側ではありませんが、川沿いを歩ける道です。
西江戸川橋上から、下流を振り返ります。大きなビルが、紙の街を象徴するトッパンの建物です。
新白鳥橋を過ぎれば、左岸の道は比較的交通量の少ない道となります。相変わらず歩道は川沿いではありませんが、ほっとできる区間です。付近は、出版印刷関係の大小の会社が軒を連ねる、いわば紙の街。その象徴は中之橋詰めに大きなビル、トッパンです。新白鳥橋と石切橋の間は、近年の護岸工事で橋の架け替えが済んだばかり。中之橋、小桜橋、西江戸川橋、そして石切橋と同じデザインの橋が並びます。
石切橋で左岸の川沿いの道はオシマイ。川を渡って右岸に移ります。ここから、江戸川橋までの間は、目白通りに付けられた川沿いの歩道を歩きます。かつて、歩道の幅がとることができず、首都高の橋脚を階段で川上に張り出すように回り込ませるという苦肉の策の痕跡を眺めながら歩きましょう。古川橋の外観は思いっきり昭和です。途中の掃部橋は今通行止め。
江戸川橋で、神田川に別れを告げるように首都高速は北へと去っていきます。交差点の横断歩道を渡れば、川沿いの遊歩道が始まります。
これが苦肉の策の名残。首都高の橋脚を避けるために川に張り出した歩道の跡です。
江戸川橋が見えてきました。その先には遊歩道が待っています。